全校朝礼の講話「閉じ込め症候群」について

本校では毎朝、全校朝礼があります。講堂は全国でも珍しい畳敷きです。全校生徒、職員が正座して、まず、般若心経を読誦し、諸真言をお唱えします。次に校訓を唱えて校長の講話となります。足は崩させます。で、今朝は、「閉じ込め症候群」に関連する話をしました。私の身近にもいます。ジャン・ドミニック・ボービーの自伝的小説に「潜水服は蝶の夢を見る。」というのがあります。映画にもなりました。私は両方見ました。以下に概略を書きます。ファッション雑誌「エル」の編集長であったジャンが車の運転中に脳溢血になります。治療の結果、閉じ込め症候群になります。意識と記憶は回復し、音は聞こえますが、言葉を発することが出来ません。全身の運動機能を失い、唯一、動かせるのは左眼の瞼のみです。言語聴覚士の指導で、その瞬きで、言葉を表すことを覚え、自伝を書くことを決意します。20万回の瞬きを要したと言いますから、気の遠くなるような作業です。瞬きした本人も大変ですが、件の言語聴覚士もよく付き合ったと思いますよ。それで、この本の出版にこぎつけ、それを見て、安心したかのように世を去ったとのことです。映画はジャンの左眼を通して描いていて、自分がその病気になったかのような臨場感がありました。他人ごとではありません。この病気の存在を知ることは意味のあることだと思います。

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