「心の海岸に達せんと発すれば、船に棹ささんには如かじ。船・筏の虚実を談ずべからず。(意味)此岸から、彼岸に達しようと希望すれば、行動することだ。 この言葉からも分かるように、御大師様は行動の人でいらっしゃいます。お大師様の生涯を見渡してみますと、すべて順調に行ったわけではありません。若い頃に都の大学に進み、その学問に矛盾を感じ、退学します。その後、四国の山中で修行に励みますが、詳しいことはわかりません。長く雌伏され、チャンス到来となりますと、機会を逃さず、命をかけて唐に雄飛されます。強運のお方で、恵果和尚から認められ、密教を伝授されます。そして、わずか2年でタイミングよく、無事に帰国されます。その後のご活躍の様子は皆さん、ご案内の通りです。私どもも、毎日、何も変わらないと不平不満を言っているだけで、その日ぐらしをしているのでは、なにも変化しません。人生は、ある意味、冒険です。お大師さまを見習って、目標を定めたら、失敗を恐れずに、行動に移したいものです。